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渡辺二冠が久保九段に圧勝 王座戦2回戦進出

5月22日(水)に第67期王座戦挑決トーナメント1回戦 ▲渡辺明二冠vs△久保利明九段の対局が行われました。

本局は観戦のみの予定でしたが内容が衝撃的でしたので、自分の勉強のためにも記録に残しておこうと思いました。
戦型は渡辺二冠の先手で居飛車対変則四間飛車となりました。

ここまでは何の変哲もない序盤戦ですが、ここからの先手の指し回しに違和感を感じました。
第1図から▲6六角△5四歩▲同歩△同金▲5六銀△3四飛▲7七桂(第2図)
まず▲6六角とした手に違和感を覚えました。
後手から動くとすれば△5四歩▲同歩△同金から6五歩を狙う形が考えられるので先手は▲5六銀と先受けするのが自然な手に思えます。
本譜の場合、▲6六角を優先したことで6五歩が浮いた状態になっているので後手は△5四歩から動いてきましたが、先手は立ち遅れる形で▲5六銀と受けました。
私はこの応酬が、先手は先に受けれたにも関わらず意図的に1手遅れたように見えました。
まだ序盤で変化が多岐に渡るので断定しづらいですが、5筋の歩交換が行われた第2図の局面、既に先手が作戦勝ちしていると思われます。
ここからの先手の指し回しをご覧いただきたいと思います。

本譜…△7四歩▲同銀!△7三歩▲8三銀成△同銀▲8四歩△7二銀▲5八飛(第3図)
第2図の局面、7五銀がよく効いているので、このまま戦いが始まると玉頭から攻め込める先手が有利になります。
後手は7五銀を引かせるため△7四歩と突きました。
私は▲8六銀に△3一角となるのかなと思っていたのですが・・・
ここで先手に驚愕の1手が出ます。▲7四同銀!

自ら銀を取られに行く驚愕の1手!

この後、△7三歩から銀をボロッと取られました。
意味が分からなくて何度も棋譜を見直しました。
ソフトの形勢判断は先手有利とのことで、さらに意味が分からなくなり棋譜を見返しました。
部分的にある筋なのは何となく分かるのですが、起こり得るケースとしては「1手争いの終盤戦」、「自玉が穴熊などの堅陣で攻めが繋がればOK」、「不利な状況で暴れる手を選ばなければいけない」などのケースだと思います。
今回は駒がぶつかっていない序盤戦で自玉は穴熊ほどの堅陣ではなく、不利ではないので無理する必要がない、状況です。
私の理解が追い付いていないので説明しづらいのですが、おそらく先手が有利になるポイントは下記になると思います。
①8四歩の拠点が非常に大きい
②後手は歩切れで先手の攻めが受け止めれない
③後手の右辺の駒(飛車・角・桂)が働いていない
④後手陣に傷が多い(8三銀や2三銀など)
このポイントが銀1枚では相殺できないほど大きいため形勢は先手有利になっていると思われます。

本譜は第3図より
△3六歩▲5五銀△同金▲同飛△1三角▲5四歩△3七歩成▲5三歩成△5四歩▲5二と△同金(第4図)
後手は歩切れを解消するため△3六歩としますが、先手玉から離れた位置のため、手抜きで▲5五銀とされて困りました。
持ち駒に歩があれば簡単に受かる攻めですが、あいにく銀しか手持ちにないので適当な受けがありません。
△1三角と早逃げしつつ6八金に狙いを付けますが▲5四歩から銀を回収され、はっきり先手優勢となりました。
ここからの先手の寄せが見事でした。

本譜…▲5三歩!△6二金▲8三銀△同銀▲同歩成△同玉▲7一銀△8二歩▲5九飛!(第5図)
▲5三歩が鋭い利かし。
先手は飛車を渡してもまだ余裕があるので、この攻めで十分間に合います。
後手は飛車を取ることができないので△6二金としますが▲8三銀から清算して▲5九飛がピッタリの一手。
次に▲8九飛からの詰めろになっています。
後手は△8二歩を打たされているので8筋からの攻めが受けづらくなっています。

本譜…△8六銀▲8九飛△8七銀打▲同飛△同銀不成▲同玉△8九飛▲8八銀△7二金▲7九金(第6図)
後手は△8六銀としますが▲8九飛が厳しい1手。
△8七銀打で飛車を取ることはできましたが銀を2枚渡したため▲8四銀打からの詰めろになっています。
△7二金は▲8四歩△9三玉▲8二銀不成△同金▲8三金△同金▲同歩成△同玉▲8四歩からピッタリの並べ詰み。
後手は△8九飛と王手をかけ、先手に銀を使わせてから△7二金としましたが▲7九金と飛車を捕獲され、後手に勝ち目がなくなりました。

以降は渡辺二冠が危なげなく勝ち切りました。

本局は渡辺二冠会心の1局で、悪手・疑問手がありませんでした。
▲7四同銀で有利になるという大局観が素晴らしいのはもちろんですが、自然にこの局面へ誘導されたことに衝撃を受けました(半分私の推察ですが・・・)
1歩渡すと7四歩と突く筋が出てくるので、逆算していくと第1図の局面で▲7四同銀を見つけていたことになります。
そして、その局面に導くために▲5六銀と先受けせずに▲6六角として△5四歩を誘発・・・
私の思い違いかもしれないのですが、この仮説が合っていれば渡辺二冠はA級棋士に対して心理状況を把握した上で戦況をコントロールしたことになります。
真相は闇の中ですが、渡辺二冠が絶好調なのは紛れもない事実です。
現在棋界最強と噂されている豊島三冠と渡辺二冠はどちらが強いのか?
2人は6月4日から棋聖戦5番勝負で対戦します。
絶好調同士の対戦なので楽しみで仕方がありません(^^)

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


渡辺明の思考 盤上盤外問答 [ 渡辺明 ]

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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