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《王座戦》佐々木五段 藤井七段との死闘を制し2回戦進出

6月3日(月)に第67期王座戦挑決トーナメント 1回戦 ▲佐々木大地五段vs△藤井聡太七段の対局が行われました。

若手実力者が激突した一戦は戦型は佐々木五段の先手で相掛かりとなりました。

第1図は後手が8筋の歩交換を行い、あわよくば3六歩をかすめ取る揺さぶりをかけたところ。

第1図以下の指し手
▲5八玉△5二玉▲3七桂△8七歩▲9七角△8二飛▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛△3四歩(第2図)

先手は▲8七歩と受けずに攻撃態勢を整えます。
8筋で得た歩を攻撃に使う、最近よく指されている強気の対応。
少しでも間違えると一気に不利になるので互いに神経を使った駒組みとなります。
△3四歩を見て、今度は先手が揺さぶりをかけます。

第2図以下の指し手
▲2四歩△同歩▲同飛△9五歩▲4五桂△4二銀▲7五角(第3図)

△3四歩を見て今度は先手が横歩を取りに行きます。
後手も△9五歩から反撃にでます。
▲7五角とした第3図の局面、△9六歩と歩を補充しておくのが無難なところですが・・・
後手は激しく攻めていきます。

第3図以下の指し手
△8五飛▲7六歩△8八歩成▲2二飛成△同金▲8八銀△9六歩(第4図)

△8五飛として7五角と4五桂に狙いを付けました。
先手は▲7六歩として角と桂の両方の駒を守ります。
△7四歩とする手には▲2二飛成△同金▲6六角で対応できます。
▲6六角 以降の変化の一例としては△3三桂▲同桂成△同銀▲7七桂△2五飛▲5五角打△4四銀▲9一角成(変化図)

△7四歩と突かせた効果で▲5五角打~▲9一角成とすることが可能になり、互角の戦いができます。
本譜の△8八歩成に対しては▲2二飛成と角を取ってから▲8八銀として凌ぎます。
飛車角交換の大立ち回りとなりましたが形勢は互角です。

第4図以下の指し手
▲8二歩△同飛▲9二歩△同飛▲7七桂△2五飛▲9三歩△8二飛▲3五歩△同飛▲4六歩△3三桂▲5三桂成△同銀▲同角成△同玉▲3一角△6二玉▲2二角成(第5図)

この数手の応酬はいろいろな手があり、互いに最善を逃しました。
後手は▲9二歩に対して△同香の方が優れました。
おそらく△同香には▲8四歩とされ次に▲9一角と飛車取りに打たれる手が気になったものと推察されますが、そこで△9三香として後手が互角以上に戦えました。
▲9二歩△同飛に対しては、先手も▲9三歩△8二飛▲9六香として、次に▲9二歩成から香車を入手し▲5六香と5筋に狙いを付ければ有利な戦いができました。
本譜は先手がかねてからの狙いであった▲5三桂成~▲3一角の攻め筋で2枚替を果たします。
局面が大きく動きましたが▲2二角成の局面はまだ互角の形勢です。

第5図以下の指し手
△4五桂▲4七金△2六桂▲3六銀△3八桂成▲同金△3六飛▲同金△6九銀▲同玉△5七桂成▲3二飛△5二歩▲6五桂(第6図)

駒を取られる瞬間が技をかけるチャンスと言われますが、ここで指された△4五桂が参考になる上手い1手。
▲同歩とすると△4六桂で先手陣が決壊するので先手は桂馬を取ることができません。
しかし先手の▲4七金~▲3六銀が最善の対応で形勢は依然互角です。
第6図の▲6五桂は5三の地点に利かしつつ、2二馬を自陣の8八まで利かす攻防の1手。
▲6五桂のところでは▲5三歩や▲5四桂といった、もっと激しく踏み込む順もありましたが、読み切るのが非常に難しいため実戦的には攻防兼備の本譜の順が妥当な指し方です。

第6図以下の指し手
△5八角▲7九玉△7一玉▲9四桂△3六角成▲8二桂成△同玉▲9二銀△同香▲同歩成△同玉▲9五香△8二玉(第7図)

目まぐるしく攻守が入れ替わります。
第6図▲5八歩と打たれると後手に攻め手がなくなりますので後手は△5八角を先着しておかなければいけません。
さらに攻めたいところですが、▲5四桂の攻めが残っているので未然に防ぐために△7一玉と早逃げします。
▲9四桂に△8四飛と逃げるのは▲6六馬△9四飛▲5七馬△3六角成▲8三歩で先手が自陣を安全にしながら攻めることができます。
ここまで互いに目立った悪手がなく拮抗した形勢が続いておりましたが、第7図から形勢が大きく動きます。

第7図以下の指し手
▲5三桂不成△5一金▲3一飛成△4二銀▲6一桂成△9四銀(第8図)

▲5三桂不成が悪手。△5一金で攻めが空振りました。
ここで我慢ができれば良かったのですが▲6一桂成が焦りによる連続悪手。
△同銀とされると先手は攻めが続かず、一旦竜を引き上げなければいけませんでした。
しかし、佐々木五段の気迫に押されたのか△9四銀が大悪手。
先手の悪手で優勢になるところが、この手により後手は奈落の底に落ちました。
△9四銀を打った意図は、▲同香とすれば△3一銀と竜を取ることができます。
※△9四銀を打たずに単に△3一銀は▲9二飛△8三玉▲9四飛成△8二玉▲9二竜で詰み。
後手は飛車を入手できれば△6九飛の詰めろになりますが、事はこう上手くは進みませんでした。

第8図以下の指し手
▲3四竜△9五銀▲8五飛△8三銀▲9五飛△5八馬▲7七馬△6一金▲8四歩△7二銀▲5九歩△4九馬▲8三銀△同銀▲同歩成△同玉▲9一飛成△7一金打▲9四竜寄(第9図)

▲3四竜が後手の望みを砕く1手。
9四銀・5一金・3六馬の駒取りが残っており後手は収拾がつかなくなりました。
この後、先手は馬を引き付けて不敗の態勢を築き、手薄の左辺から2枚竜で攻める形となり先手必勝となりました。
以下 先手は駒を取りながら着実に攻め、後手を投了に追い込みました。

本局は序盤から終盤の入口まで両者互角の戦いを演じ、どちらが勝ってもおかしくない状況でした。
終盤 佐々木五段の指した▲5三桂不成~▲6一桂成が悪手で逆転するところでしたが、藤井七段の時間切迫や読みになかった手順であったことなどの要因により△9四銀という悪手を誘発する結果となりました。
時間があれば防げたミス・慌てず冷静に指せば勝てた、など人間同士の対局ではえてしてこういうことが起こります。
佐々木五段としては幸運に助けられたところがありますが、そのチャンスをしっかり生かし勝ちに繋げることができました。
この結果、2回戦進出となり次は強敵の羽生九段との対局となりますが、今回のチャンスを生かしトーナメントでの活躍を期待したいと思います。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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