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《王座戦》永瀬叡王 山崎ワールドを完封し2回戦進出

6月8日(土)に第67期王座戦挑決トーナメント 1回戦 ▲永瀬拓矢叡王vs△山崎隆之八段の対局が行われました。

戦型は永瀬叡王の先手で角換わり腰掛け銀となりました。

ここまでは角換わり腰掛け銀でよく見かける定番の駒組み。
しかしここから山崎八段が独創的な駒組みを見せます。
第1図以下の指し手
△6三金!▲4八金△5一銀▲9六歩△9四歩▲6六歩△8四飛▲5六銀△5二玉▲7九玉△4二銀上▲8八玉△5四歩▲6七銀△8一飛(第2図)

△6三金から見た事がない独創的な駒組み。まさに山崎ワールド。
最近の角換わり腰掛け銀は△5四銀を6三に引き直す専守防衛の指し方が頻出しておりますが、本局の△6三金も似た意味合いの駒組みのように思えます。
後手から先攻する狙いは完全に捨て、先手が攻めてきた時に受け潰しを狙った指し方です。
後手は金銀を密集させて先手の右辺からの攻めに備えますが、玉形が薄い上にバランスが偏り過ぎている感があります。
永瀬叡王はこの駒組みは初見だったと思うのですが、的確な攻めで山崎ワールドをあっさり攻略します。
第2図以下の指し手
▲4五桂△2二銀▲2四歩△同歩▲7五歩△同歩▲2四飛△8四飛▲7四歩△同金▲7二角△8六歩▲同銀△2三金(第3図)

▲4五桂~▲7五歩として手薄になっている左辺に狙いを付けたのが好着想。
既に後手が対応に困っており、形勢は先手有利になっています。
▲2四飛とされた局面、次に▲7四歩△同金▲7二角とされると後手ははっきり悪くなるので、これを防がなければいけないのですが後手陣のバランスが悪いため有効な受けがありません。
本譜は△8四飛として7四の地点を守りつつ▲7二角を未然に防ぎましたが、それでも▲7四歩が痛打。
△同飛には▲8二角で先手の攻めが切れなくなります。
後手陣は玉が薄いので1箇所でも決壊すると守り切れなくなります。
後手は苦渋の選択で△同金。格言通り「金は斜めに誘え」でこの金が守りに働くことはなくなりました。
▲7二角が厳しい1手。
次に▲2二飛成△同金▲6三銀△4一玉▲7四銀成△同飛▲6三角成の攻め筋があります。
△2三歩と銀取りを防いでも▲3四飛△3三歩▲5四飛△5三歩▲同桂成△同銀▲6一角成と強襲されます。
後手は非常手段で△2三金としますが・・・

第3図以下の指し手
▲同飛成△同銀▲8三金△8六飛▲同歩△8七歩▲9八玉△4四歩▲6一飛(第4図)

▲同飛成~▲8三金で飛車を捕獲され後手陣が完全に決壊しました。
後手の囲いは飛車角を自陣に侵入されないようにする専守防衛の囲いだったのですが、先手の攻め方が攻めが的確で両方の大駒に侵入されてしまいました。
先手玉は銀矢倉でしっかり守られているのに対して、後手陣は金銀が分断され玉がむき出しになっているので攻め合うこともできません。
▲6一飛と打たれた第4図では先手必勝形となっており、ここから永瀬叡王らしい手堅い収束となりました。

第4図以下の指し手
△4三玉▲6三飛成△3二玉▲2四歩△同銀▲7四竜△4三銀打▲7三竜△4五歩▲4四桂△2二玉▲3二金△同銀▲同桂成△同玉▲2三銀△3一玉▲5四角成まで先手・永瀬叡王の勝ち

次に▲6三飛成~▲2三竜とされると、ほぼ必死となりますので△4三玉と早逃げしますが▲7四竜~▲7三竜と駒を入手したのが冷静で着実な攻め。
▲2四歩△同銀としたのも細かい利かしで参考になる攻め方です。
先手が万に一つ負けるとすれば後手に入玉される形なのですが、▲2四歩と利かしておくことで後手の退路を封鎖しています。
▲4四桂~▲3二金で清算してから▲2三銀、基本通り玉を下段に落とす寄せです。
投了図▲5四角成で必死となっており、後手に受けはありません。
本局は山崎八段が新趣向を見せましたが、不発に終わり完敗となりました。
初めて見る構想で、初見であれば意表を突かれることもありそうですが、永瀬叡王はいつも通りの手堅い指し回しで隙がありませんでした。
山崎八段は過去にいろいろな戦法を開発されているので、この敗戦からまた新たな戦法が生まれることを期待したいと思います。
本局の結果、永瀬叡王は2回戦進出となりましたが、次の相手は前叡王の高見七段。
早くもリベンジマッチが行われます。
勝手な予想ですが、リベンジに燃える高見七段がとっておきの秘策をぶつけそうな予感がします。
互いの意地がぶつかった熱戦が期待されますので、次の対局も楽しく観戦したいと思います。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


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会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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