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渡辺二冠 研究炸裂!1勝1敗のタイに

6月19日(水)に第90期棋聖戦五番勝負 第2局 ▲豊島将之棋聖vs△渡辺明二冠の対局が行われました。

三冠vs二冠の一戦ということで、天下分け目のシリーズとなった棋聖戦。
注目の第2局は豊島棋聖の先手で角換わり腰掛銀の最新型となりました。
非常に早い進行となった本局は渡辺二冠が事前研究と思われる意表の1手を指し、波乱の幕開けとなりました。

第1図以下の指し手
△5五銀▲3五歩△同歩▲4五桂△4四銀上▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△5九角▲2八飛△8六歩▲同銀△6五歩(第2図)

△5五銀が意表の1手。
専守防衛策しかないと思われていた局面でこの手が成立するのであれば、角換わり腰掛銀の戦い方が大きく変わることになります。
豊島棋聖が長考に入ると思われましたが、驚くべきことに豊島棋聖はすぐに▲3五歩と指されました。
あっさり指されたということは、この手は豊島棋聖も把握済みで対策ができているということになります。
▲2六飛△5九角▲2八飛の進行は先手が宜しくないように見えるのですが・・・

第2図以下の指し手
▲5六銀△同銀▲同歩△6六歩▲6八歩△4五銀▲同歩△6四桂▲7七銀打△8五歩▲9七銀△6五桂(第3図)

次に△6六歩とされると先手が困りますので▲5六銀と目標になる銀を先に逃げ、△6六歩の取り込みには▲6八歩として凌ぎますが、△4五銀~△6四桂が厳しい追撃。
ここまでは後手の攻め駒が全て先手の急所に向かって進んでおり、対する先手は2八飛と4八金が機能しているとは言い難い状況で後手有利に見えます。
△5五銀に対する応手が早かったので、間違いなく事前研究があったと思われるのですが・・・

第3図以下の指し手
▲2四歩△7七桂成▲同玉△2四歩▲5五角△6七歩成▲同金△6六歩▲同角△6五銀▲1一角成△3三桂▲2一銀(第4図)

▲2四歩が悩ましいタイミングでの叩き。
単に△同歩は利かされてるような感触があるので、後手は△7七桂成~△2四歩とされました。
このタイミングで△7七桂成としておけば▲同桂は△7六桂の王手があり、▲同金は△6八角成が残ります。
おそらく単に△2四同歩の場合は▲4六角と据えられ、6八の地点を守られながら▲6四角の桂取りを見せられることを嫌ったのではないかと推察されます。
本譜は後手の攻めにカウンターを合わせる形で▲1一角成と後手玉近くに成り込めましたが、先手陣も囲いが崩され危険な状態になりました。
4二玉型の遠さが生きる展開になっており、形勢は後手優勢。

第4図以下の指し手
△6六歩▲5七金寄△8六歩▲同銀△6九銀▲6六金△7六銀▲同金△同桂▲2四飛△3一金(第5図)

△6六歩が厳しい叩き。
▲同金は△同銀▲同玉△6八角成で上下挟撃で受けなしになるため、▲5七金と耐える1手。
△8六歩は手筋の突き捨て。
▲同歩は8七に空間ができるため、▲同銀は致し方ないところ。
△6九銀が逃げ道封鎖の手ですが、▲6六金とされ上部脱出が気になる展開になりました。
「玉は下段に落とせ」の格言通り、△7六銀▲7八玉△5六桂の寄せの方が分かりやすかったかもしれません。
本譜は△7六銀▲同金△同桂▲2四飛に対して△3一金とした手が緩手で先手に一瞬のチャンスが巡ってきました。

第5図以下の指し手
▲2三飛成△7八銀成▲6七玉△6八角成▲6六玉△6五歩▲同玉△6四歩▲同玉△4六馬▲6五玉△8五飛まで後手・渡辺二冠の勝ち

▲2三飛成が敗着。
△7八銀成で寄り筋に入りました。
▲2三飛成に代えて▲5七銀としておけば簡単には寄らず、悪いなりにも逆転が狙える情勢でした。
△7八銀成に▲6六玉とすれば詰みは免れますが△4八角成と金を取られ、以下▲5七桂△3二金打とされると攻防共に見込みがなくなります。
本譜は▲6七玉としましたが△6八角成から綺麗な即詰みとなりました。
投了図△8五飛が詰将棋に出てきそうな手で先手はどう応じても即詰みとなっています。
①▲同銀は△7五金で詰み。
②▲7六玉は△7五金▲同銀△同飛▲8六玉△8五銀▲9七玉△7九馬▲9八玉△8八馬まで。
③▲7五歩は△6四金▲6六玉△7五金▲同銀△6五歩▲7六玉△7五飛▲8六玉△8五銀 以下、上記と同じ手順で詰み。

本局は豊島棋聖に誤算があったのか不可解な一局でした。
時間の使い方から確実に研究範囲であったハズですが、先手良し局面がなかったと思います。
渡辺二冠が特別な手を指して勝ったというより、淡々と普通の手を積み重ねて押し切ったように見えます。
感想戦で誤算があったのか聞いてみたいところです。
本局の結果、1勝1敗タイになりましたが、ここまでの将棋の内容は全体的に渡辺二冠が押している印象を受けます。
豊島棋聖としては1勝1敗という結果は悪くないと思いますが、内容面で乏しい結果であることが気にかかります。
積極的に指して優勢の局面を作り上げている渡辺二冠に対して、豊島三冠は渡辺二冠のミスを咎める形で優勢になっているため主導権は渡辺二冠にある状態です。
渡辺二冠の状態の良さを考慮すると、なかなかミスは期待できないと思われますので第3局以降の豊島棋聖の対策に注目したいところです。
勝った方が王手となる大一番の第3局は6月29日(土)です。
私は休日出勤になりそうですが、なんとか時間を見つけて観戦したいと思います。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


渡辺明の思考 盤上盤外問答 [ 渡辺明 ]

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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