投稿タイトル上

《王将戦》藤井七段 危なげない勝利で二次予選進出

6月22日(土)に第69期大阪王将王将戦一次予選 ▲藤井聡太七段vs△千田翔太七段の対局が行われました。

高い勝率を誇る二人が王将戦一次予選の決勝で相まみえました。
二次予選進出を賭けた一戦は藤井七段の先手で戦型は矢倉戦となりました。

第1図、脇システムのような形ですが通常と異なるのが後手の陣形。
片矢倉と呼ばれる陣形で普通の矢倉囲いに比べて玉が3二にいる分、端攻めの直撃を受けにくいメリットがあります。
デメリットとしては一段飛車に弱いことと2筋が薄いことが挙げられます。
この囲いが吉と出るか凶と出るかが見どころですね。

第1図以下の指し手
△4六角▲同歩△4七角▲1五歩△同歩▲同銀△同香▲同香△3六角成▲1一香成(第2図)

△4六角~△4七角は脇システムで見られる戦い方。
先手は棒銀を生かすため▲1五歩から端攻めを敢行します。
△3六角成のところでは△1三歩と受ける手もありますが、片矢倉の利点を生かすのであれば手抜きをしたいところです。
先手は香車を成り込めましたが飛車が攻撃参加できていないので、指し切りにならないように攻め駒を拡充する必要があります。

第2図以下の指し手
△1六歩▲1二角△1七歩成▲3八飛△4七馬▲3七飛△同馬▲2一角成△4一玉▲3七桂△5一玉▲5五歩(第3図)

△1六歩が疑問手で微差ですが形勢に差がつきました。
▲1二角が攻めを繋げる着実な1手。
すぐに後手玉を寄せれる訳ではありませんが攻め駒の補充が確実で指し切りの心配がなくなりました。
後手は△1七歩成から飛車角交換をしますが、後手陣は囲いが崩されているので攻め合いの展開は分が悪く苦しい形勢になりました。
戻って△1六歩では①△2二玉▲1五香△1三歩▲2一成香△同玉▲1三香成△2二銀打や②△2二銀打▲3七歩△4六馬▲1八飛△1三歩▲1二成香△3五歩といった展開で飛車捌かせないように慎重な戦い方をしなければいけませんでした。
第3図の▲5五歩が攻め幅を増やす好手。
次に▲5四歩と取り込めれば▲5五桂からの攻めがありますし、▲5五歩に△同歩としても▲5三歩や▲5四歩として次に▲6五桂~▲5三歩成の攻めを狙う事ができます 。
苦しくなった後手は攻め合いに活路を求めます。

第3図以下の指し手
△9五歩▲5四歩△9六歩▲9八歩△8六歩▲同銀△6九銀(第4図)

後手は矢倉囲いの弱点である端に手を付けます。
終盤戦に入り、駒の損得よりスピードが求められますので先手は手抜きで▲5四歩。
後手も受けが効かない展開ですので9筋を押し込み、△8六歩▲同銀と先手玉の横腹を弱くしてから△6九銀と攻めたてます。
先程までしっかりしていた先手の矢倉囲いがあっという間に弱体化しました。
後手の攻めは矢倉戦で頻出する大変参考になる攻め方です。
形勢は依然として先手有利ですが1手のミスで逆転する差なので、的確な対応が求められます。

第4図以下の指し手
▲6八金寄△8六飛▲同歩△8七歩▲同玉△7九飛▲3一飛△6二玉▲6九金△8九飛成▲7七玉△6九竜(第5図)

▲6八金寄が的確な受け。
△3八飛とする手が気になりますが、それには▲5五桂として以下△5八銀不成▲4三桂不成△6二玉▲7八金打として先手優勢。
後手は攻めが甘くなると▲5五桂が入り、手負けするため△8六飛として攻めの速度を上げます。
△7九飛と飛車を打ち込み遂に先手玉に詰めろがかかりました。後手の猛攻が炸裂し逆転したかに思えますが・・・
相手は棋界隋一の終盤力を誇る男。
▲6九金が全てを読み切った決め手。
第5図から光速の寄せが出ます。

第5図以下の指し手
▲5三歩成△同金寄▲5一角△7二玉▲7三角成△同玉▲7一飛成△7二金▲6二銀まで先手・藤井七段の勝ち

▲5三歩成に△同玉は▲5一飛成△5二歩▲5四歩で①△同玉は▲6五銀△5三玉▲5四歩△同金▲同馬まで。②△同金は▲同馬△同玉▲6五金△4三玉▲5四銀△3二玉▲2一竜で詰み。
▲5三歩成に△7二玉も▲6一角△8二玉▲8三銀△9三玉▲9四銀成△8二玉▲8三角成で詰み。
▲5三歩成に△同金上は▲7一銀△7二玉▲6一角△7一玉▲8三角成△6二玉▲6一馬で詰み。
本譜は▲5三歩成に△同金寄としましたが、それも▲5一角△7二玉▲7三角成で詰み筋に入っています。
本譜の△同玉に代えて△同桂は▲8四桂として①△8三玉は▲7二銀△9四玉▲9一飛成△9三桂▲8三銀打△8四玉▲9三竜△同玉▲9五香 以下詰み。
②△8二玉には▲9一飛成△同玉▲9二銀△8二玉▲8三銀打△9三玉▲9五香 以下詰み。
投了図以降、(1)△6四玉は▲6五馬まで。
(2)△8四玉は▲8五銀で①△8三玉▲7五桂△同歩▲6五馬△9三玉▲9四香まで。②△9三玉は▲9四香△8三玉▲9五桂で詰み。
(3)△8三玉は▲8一竜△8二角▲7五桂で①△9三玉は▲9五香△9四桂▲8五桂△8四玉▲8二竜△同金▲7三銀打△9五玉▲8四角まで。②△同歩は▲6五馬△7四桂▲8四銀△同玉▲7五馬△9四玉▲8五馬△9三玉▲9四香△8三玉▲9五桂で詰み。
上記以外にも逃げ方・合駒で変化はありますが、いずれの変化も即詰みに討ち取られます。

本局は若手実力者の千田六段が相手でしたが 、藤井七段が万全の指し回しで不利になる局面が1度もない快勝譜でした。
最終盤の即詰みは長手数で変化も多岐に渡るため簡単なものではないのですが、詰将棋解答選手権5連覇の実力は半端ないですね。
いとも簡単に仕留めました。凄すぎ(;゚д゚)ゴクリ…
王将戦は予選通過とリーグ参加の枠が非常に少なく、とても過酷な棋戦です。
これから2次予選・挑戦者決定リーグ戦と厳しい戦いが続きますが、挑戦目指して勝ち進まれることを期待したいですね。
藤井七段は竜王戦でも決勝トーナメントに進出されており、6月28日(金)に近藤六段vs梶浦四段の勝者と対戦することになっています。
月末、仕事がピークの時期で業務が立て込んでいますが、なんとか時間を見つけて観戦したいと思います(`・ω・´)

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


藤井聡太全局集 平成30年度版【電子書籍】

The following two tabs change content below.
habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

下をクリックして応援いただけると幸いです。宜しくお願い致します。。

本文2
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク