投稿タイトル上

《王座戦》豊島三冠 渡辺二冠に雪辱を果たし準決勝進出!

6月25日(火)に第67期王座戦挑決トーナメント 2回戦 ▲渡辺明二冠vs△豊島将之三冠の対局が行われました。

現在、棋界最高峰に君臨する二人が2回戦で早くも激突しました。
注目の戦型は角換わり腰掛銀。
第1図は△6五歩と突いたところ。

手順は若干違いますが第31期竜王戦第1局と同じ局面になりました。
その時は第1図から▲5六銀△8一飛▲6六歩と動き、先手の羽生竜王(当時)が広瀬八段(当時)に競り勝ちました。
この将棋はとても素晴らしい内容でしたので、本局も似た展開が予想されましたが・・・

第1図以下の指し手
▲3五歩△同歩▲4五桂△2二銀▲2四歩△同歩▲7五歩△8一飛▲7四歩△同銀▲2四飛△4四角(第2図)

▲3五歩~▲4五桂と先手が積極的に動きました。
▲7五歩に△同歩は▲7一角△7二飛▲6二角成△同飛▲2四飛△4四角▲3三歩△同桂▲同桂成△同角▲8四飛で▲3四桂と▲8一飛成が厳しく先手有利。
上記のように十字飛車が決まるような形になると第1図で指した△6五歩を咎められる格好になるので、後手はこの変化を避けなければいけません。
先手の攻めに呼応する形で△4四角と打った第2図、角のラインを生かした攻めが見込めるため、所感では攻めの形がはっきりしている後手が指しやすそうに見えます。
後手は△7六歩~△8六歩から銀桂を攻めに使える展開が見込めますが、先手は攻め所が難しく攻撃態勢の作り方が難しそうに思えました。

第2図以下の指し手
▲2九飛△7六歩▲8八銀△2四歩▲同飛△2三銀▲2九飛△2四歩▲5六銀△3六歩▲3九飛△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲3六飛△3三歩(第3図)

第2図からの後手の陣形整備が非常に勉強になる手順でした。
まずは△2四歩~△2三銀~△2四歩として壁銀を解消しつつ銀冠を構築して強い戦いができるようにしました。
1歩を損しましたが1歩で壁銀を解消することができたので、この交換は後手が得をしました。
△3三歩と傷を消せたことができた第3図では後手としてはまずまずの序盤に思えます。
先手は積極的に動きましたが第3図の局面、△7六歩の拠点を消せないのと8八銀が壁銀になっているため非常に戦いづらい状況になっています。

第3図以下の指し手
▲5八金△3一玉▲3九飛△2二玉▲4七銀△6六歩▲同歩△7五銀▲2五歩△8五桂▲6七金右△2五歩▲5六銀(第4図)

第3図から後手は△3一玉~△2二玉と玉を入城し堅牢な囲いにできました。
対する先手は有効な攻めや守りを固める駒組みができないため、手待ちのような手しかありませんでした。
渡辺二冠は▲2五歩~▲2四歩など2筋・3筋に歩を打てるので入城する順を軽視されていたとのことでした。
▲4七銀は次に▲3六銀として▲2五歩から攻める順を狙った手ですが、△6六歩~△7五銀とされ先手が困りました。
ここまで豊島三冠の対応が非常にうまく、後手の作戦勝ちと言えます。

第4図以下の指し手
△9五歩▲同歩△7七歩成▲同桂△同桂成▲同銀△7六歩▲8六銀△6六銀▲同金△同角▲6七銀打△7四桂(第5図)

△7七歩成から再度△7六歩とした局面、▲同銀は△同銀▲同金△6四桂、▲8八銀は△6六銀で後手有利になるので先手は▲8六銀とぶつけて勝負をかけます。
6六の地点で金銀交換となり迎えた第5図、△7四桂が格言通り「駒の損得より速度」を体現した角換わり戦特有の1手。
角換わり戦では引く展開になると形勢を損ねることが多々あります。
本局では先手に手番が回ると▲2四歩△同銀▲3六桂や▲3五桂~▲2三歩といった手で攻められるので後手は角を引かずに攻め立てます。
ここまで後手が上手い駒組みで局面をリードしましたが、第5図から指し手が乱れます。

第5図以下の指し手
▲2四歩△同銀▲3六桂△3五銀▲3四歩△4八金▲2三歩△1二玉▲3三歩成(第6図)

▲2四歩~▲3六桂に対する△3五銀が緩手。
△3五銀に代えて△4八金としておけば後手優勢でした。
▲2四桂が気になりますが、それには△8六桂▲6六銀△7八桂成▲同玉△3九金で後手の攻め合い勝ちが見込めます。
本譜は△3五銀に▲3四歩が厳しい追撃。
△同歩は▲6六銀△同桂▲5五角があるため後手は歩を取ることができません。
ここで後手は遅まきながら△4八金としましたが、先程に比べて1手遅れた分 先手に食い付く余地を与えました。
△4八金では、△8六桂と切り込むほうが本譜より優れていました。
以下、▲同歩△7七銀▲5八玉△4六銀▲4九桂△2八金が変化の一例。

この変化であれば後手は優位を保てました。
本譜の手順は急所にと金を作られ雲行きが怪しくなってきましたが・・・

第6図以下の指し手
△8六桂▲2二歩成△1三玉▲2三と引△同金▲同と△同玉▲2四歩△同銀▲3二角△3四玉▲6六銀△7八桂成▲同玉△3九金

▲3三歩成を放置して△8六桂が強手。
かなり怖い手ですが、この局面では下手に受けると逆に攻めが早くなる展開なので、ここは怖くても攻め合うよりほかありません。
▲2二歩成に△同金もありましたが、▲同と△同玉▲6六銀とされた時、先手玉への迫り方が難しいです。
本譜▲2二歩成に△1三玉も相当危険な状態ですが、豊島三冠はこちらの方が勝てる可能性が高いと判断されました。
互いにすごい形になっており、どちらが勝っているのか分からない状況ですが、僅かな差で後手が勝っているようですね。
ソフト推奨は△1三玉に▲6六銀△7八桂成▲同玉△3九金▲6七角!で形勢は互角の判断ですが、上記の変化は人知を超えた領域に入っており、人間が指してうまく進めれるとは到底思えません。
本譜は▲2三と引~▲3二角と激しく攻め立てましたが、後手を追い込むまでには至らず、△3九金を見て投了となりました。
投了図、後手玉に詰みはなく、また先手玉は△8九銀からの詰めろとなっています。
先手に有効な受けはないため投了はやむを得ません。

最高峰の一戦の前評判通り、終盤まで難解な将棋でした。
▲3三歩成の辺りは先手がうまく食い付いて勝負形になったように思えましたが、それまでの後手のリードが大きく先手が勝ちづらいようですね。
終盤戦がかなり難しくて、何回棋譜を並べ直しても私には理解できない部分が多々ありました(;´Д`)情けない・・・
しかし、棋譜からでも緊張感が伝わってきて非常に勉強になりました。
やはり、この二人の将棋はレベルが高くて面白い (`・ω・´) キリッ
週末の棋聖戦第3局、絶対に観戦しようと思いました。
しっかり指し手の意味を理解して棋力アップを図っていきたいと思います。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


豊島の将棋実戦と研究 (マイナビ将棋BOOKS)[本/雑誌] (単行本・ムック) / 豊島将之/著

The following two tabs change content below.
habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

下をクリックして応援いただけると幸いです。宜しくお願い致します。。

本文2
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク