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《竜王戦》藤井七段 剛腕炸裂で3回戦進出!

6月28日(金)に第32期竜王戦決勝トーナメント ▲近藤誠也六段vs△藤井聡太七段の対局が行われました。

1回戦で梶浦四段を下し2回戦に進んだ近藤六段と4組優勝の藤井七段、若手実力者2人が2回戦で顔を合わせました。
戦型は近藤六段の先手で角換わり腰掛銀となりました。

第1図以下の指し手
▲1八香△5二玉▲1九飛△8一飛▲1五歩△同歩▲同香△1四歩▲同香△同香▲1五歩△8六歩(第2図)

▲1八香~▲1九飛と端攻めを見せて局面打開を目指した手に対して、後手は△5二玉として戦場になりそうな端から離れます。
構わず先手は▲1五歩と動きましたが、後手の△8六歩が鋭い反撃でした。
後手はちょっと攻めが軽いのでは?と思いましたが、ここからの攻めの繋ぎ方が非常に上手かったです。

第2図以下の指し手
▲同歩△1五香▲同飛△8五歩▲1二飛成△2二金▲1九竜△8六歩▲8五歩△8七香(第3図)

先手は▲同歩としましたが、▲同銀も考えられました。
▲同銀の場合、後手は薄くなった右辺から攻める展開が予想されます。
△2八角▲2九飛△1七角成▲1四歩△1八馬▲7九飛△3六馬が想定されますが、形勢は互角で1局の将棋でした。
本譜の▲同歩に対しては△1五香~△8五歩の継ぎ歩までは規定ルート。
▲1二飛成と竜を作りましたが、この手は攻めを目指した手ではなく自陣に引き付けて守りに使うための手順。
ここでは攻め合いの将棋にはならず、先手が守り切るか・後手が攻め切るかの勝負になっています。
△8六歩に対する▲8五歩は、△同桂ならば▲8六銀と拠点の歩を払えますし、△同飛は飛車を近づけた効果で▲8七歩△同歩成▲同金で拠点の歩を取り除くことができます。
※単に▲8七歩とすると△同歩成▲同金△8二香▲8六歩△8五歩で後手の攻めが繋がり、先手不利となります。 ▲8五歩は「大駒は近づけて受けよ」の格言に沿った受け方で大変参考になる受けの手筋です。

よって後手は▲8五歩を取らずに△8七香と打ち込みました。
果たして後手の攻めは繋がるのか?

第3図以下の指し手
▲7九玉△8九香成▲同玉△1八歩▲2九竜△8七歩成▲同金△8五桂▲8六銀△7七角!(第4図)

▲7九玉△8九香成に▲同玉と取った手が良くなかったように思えます。
自然な応手ですが、結果として後手の攻めが勢いづきました。
苦しいですが、▲6八玉として△9九成香▲8六銀と拠点の歩を払っておけば、まだ粘りが効きました。
△8五桂に対する▲8六銀が敗着で後手の攻めが筋に入りました。
▲8六銀に代えて▲8六歩であれば、すぐに攻め潰されることはありませんでした。
しかし、この手は後手の細い攻めが繋がったことを認めるような手なので心情的に指し切れなかったものと思われます。
ここまでの手の流れを見ると先手は自然な手で応対し続けています。
これは局面が優勢か互角以上と思っている時に指す手の流れなので、近藤六段はそこまで形勢が悪化していないと判断されていたように推察されます。
もし、形勢に自信がなければ普通の手ではなく変化球のような手(上記に記した▲6八玉や▲8六歩)で応対しているハズ・・・
途中で誤算や読み抜けがあったように感じました。
第4図は後手の攻めが筋に入り、すでに先手陣は崩壊しています。
藤井七段はここから先手に粘る余地を与えない高速の寄せを披露します。

第4図以下の指し手
▲5九角△同角成▲同竜△7七角▲6八角△8六角成▲同金△7七銀▲8七歩△9七桂成!(第5図)

▲5九角~▲6八角は最善の粘りですが、△8六角成▲同金△7七銀が厳しい攻め。
△8六角成に▲同角は△7七銀▲6八角△8六銀成▲同金△9五歩▲同歩△6五歩▲同歩△6七歩▲同銀△5五桂といった攻めが厳しく、先手は持ちこたえることができません。
第5図の△9七桂成が決め手で大勢決しました。

第5図以下の指し手
▲7七角△8七成桂▲8五香△7七成桂▲8八銀△7八角▲9八玉△8四歩▲同香△8五歩▲同金△8四飛▲同金△8六香まで後手・藤井七段の勝ち

先手は△8八銀成の詰めろなので▲7七角と銀を外しますが、△8七成桂で角か金を取られることが確定しました。
▲8五香△7七成桂に▲8一香成と飛車を取るのは△7八角で①▲9八玉には△8五歩、②▲7九玉には△6七桂▲同銀△同角成で受け無しとなります。
本譜の▲8八銀△7八角に▲7九玉は△6七桂▲同銀△同角成▲7七銀△同馬で後手勝勢。
よって△7八角に▲9八玉と逃げましたが△8四歩以下いくばくもなく押し切られました。
投了図は後手に詰みはなく、先手は受け無しなので投了はやむを得ません。

本局は後手の攻めがかなり細く、指し切りの心配もあるところでしたが藤井七段らしい精密機械のような針の穴に糸を通す攻めで見事に勝利を収めました。
なんという剛腕・・・( ゚д゚)ポカーン
あの攻めが成立するのであれば、先手は局面を打開することが非常に難しく、角換わり戦の戦い方が大きく変わってくるように思えます。

本局の結果、藤井七段は3回戦進出となり次は久保九段との対戦になります。
ハイレベルな戦いになること間違いなしですので要チェックですね。
注目の久保vs藤井戦は7月5日(金)です。
忙しい日なのですが、時間があれば観戦したいと思います(`・ω・´)

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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