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《竜王戦》鈴木九段が橋本八段を破る

7月1日(月)に第32期竜王戦決勝トーナメント ▲鈴木大介九段vs△橋本崇載八段の対局が行われました。

戦型は鈴木九段の先手で三間飛車を採用されました。
対する後手の橋本八段は左美濃に構えます。
第1図は橋本九段が△7五銀と圧力をかけたところ。

ゆっくりした展開になると後手に8筋突破を許しますので振り飛車側がどう捌くか、腕の見せ所となりました。

第1図以下の指し手
▲7二歩△同飛▲7七桂△8二飛▲8五桂△8四飛▲4五歩△同歩▲3七角(第2図)

▲7二歩は振り飛車では頻出する手筋。
この歩を放置すると▲7一歩成~▲8一と で桂馬を取られるので後手は△同飛と歩を払う1手ですが、飛車の利きが一瞬悪くなった瞬間に▲ 7七桂~▲8五桂で遊び駒の桂馬を前線に持っていくことに成功しました。
振り飛車党の方には非常に参考になる手順です。
次に▲7三桂成~▲7四歩と攻める手がありますので後手は△8四飛として受けますが、▲4五歩~▲3七角が角を活用する上手い手順でした。
第1図から第2図にかけて遊びかけていた桂馬と角を活用できる目途が立ち、先手は勝負形にできました。

第2図以下の指し手
△3三桂▲6五歩△6六銀▲4四歩△同金▲7三桂成△5五歩▲4七銀引△7六歩▲6九飛△7三桂▲6六飛(第3図)

振り飛車側の角桂が働いてきたことで、後手は先手の攻め駒を抑え込む展開にもっていくことが難しくなってきました。
△5五歩~△7六歩と歩を駆使して抑え込もうとしますが、先手の指し回しがうまく桂馬と銀を交換することに成功しました。
ここでは抑え込みの要であった銀を取られたことと、玉の堅さが大差で居飛車側が実戦的に勝ちにくくなっているように見受けられました。

第3図から20手ほど進んで迎えた第4図、振り飛車がうまい手順で攻めを繋ぎます。

第4図以下の指し手
▲2二銀△2四玉▲4二桂成!(第5図)

▲2二銀で玉を上部に追い出してから▲4二桂成がうまい1手。
▲4二桂成に△3六銀成は▲3四金△2五玉▲3三銀成とされ、後手は次の▲3七桂打を防ぐことができません。
△4七歩成としても▲3七桂打△同と▲同桂△同成銀▲同銀で受け無しとなります。

第5図以下の指し手
△3四歩▲4四金△3五歩▲3二成桂△同金▲3三銀不成△同金▲2五銀△1三玉▲3三金△3六歩▲2四銀まで先手・鈴木九段の勝ち

後手は▲3四金を防がなければなりませんが△7八角や△6一角は▲4五歩や▲4三歩と歩で角の利きを遮断されますので△3四歩としましたが、▲4四金が着実な1手。
後手は先手の攻めを振りほどくことができませんでした。
投了図以下、△同歩は▲2三金打、△同玉は▲3四金打△2五玉▲2六歩△同玉▲2七銀△2五玉▲1七桂で詰みとなります。

本局は中盤まで居飛車が抑え込めるか、振り飛車の攻め駒が捌けるかをめぐる非常に難解な局面が続きました。
その中で鈴木九段の指した▲7二歩~▲7七桂~▲8五桂と▲4五歩~▲3七角として桂馬と角に活を入れた手が非常に勉強になる手順でした。
どのような戦型においても遊び駒を作らないことは重要ですね。

鈴木九段・橋本八段ともに後輩への面倒見が非常に良くて私も大変お世話になりました。
個人的にはどちらにも勝ってほしい対局でしたが本局では鈴木九段が持ち味を発揮され橋本八段はここで敗退となりました。
鈴木九段は次戦で永瀬叡王との対戦となります。
受けの強さが棋界最強レベルの永瀬叡王に対して鈴木九段がどのような攻めを見せるかが見所です。
本局で見せた捌きをもう一度見てみたいですね。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。


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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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