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豊島二冠 羽生九段を下し挑戦者決定戦へ

7月12日(金)に第67期王座戦挑決トーナメント 準決勝 ▲羽生善治九段vs△豊島将之二冠の対局が行われました。

挑戦者決定戦進出を賭けた一戦は羽生九段の先手で四間飛車となりました。
先手が1筋の歩を伸ばす藤井システム調の駒組みに対し、後手の豊島二冠が急戦で仕掛ける展開となりました。

第1図以下の指し手
△7五歩▲同歩△6四銀▲7四歩△7五銀▲7八飛△8六歩▲5九角(第2図)

後手は▲7五歩と仕掛けましたが、通常の急戦に比べて△3三角▲3六歩の交換が入っているのが気になるところ。
所感としては▲3五歩からの角頭・玉頭攻めや本譜のような▲5九角~▲3七角といった手ができる分、先手が得になる展開が多いように見えましたが・・・
本譜▲5九角と引かれ銀取りとなった第2図、ここからの後手の大駒捌きが大変参考になる手順でした。

第2図以下の指し手
△6六銀▲同銀△8七歩成▲7六飛△7八と▲同金△7五歩▲同銀△8九飛成▲6八金△9九角成(第3図)

△6六銀▲同銀としてから、△同角と銀を取らずに△8七歩成~△7八と が上手い手順。
ここでは駒の損得より大駒の働きが重要なので、大駒を捌く事を優先しなければいけません。
途中、△8九飛成の前に△7五歩と叩いたのが細かい利かし。
▲同飛は△6六角、▲8六飛は△同飛▲同角△6六角でいずれも大駒を捌かれながら銀を取り返されるため▲同銀の1手となっています。
こうすることで角筋が通り△9九角成とすることができました。
第3図、駒割は銀と桂香の交換で形勢はほぼ互角ですが大駒の働きが大差であることと7五銀・6八金の働きがいまいちであるため、実戦的に先手が苦労する展開になっています。

第3図から数手進み、第4図へ。

第3図から先手は大駒を捌くことができましたが、先に飛車を打ち込まれ銀取りとなった第4図。
この辺りは覚えておきたい手筋が多くあったので紹介しておきたいと思います。
本譜は▲7五角と銀に紐を付けましたが、ここでは1筋を詰めた手を生かして▲1四歩と攻める手もありました。
後手玉の近くで手抜きはしづらいため△同歩とするくらいですが、以下▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲1二飛△2二角▲1一銀△8六飛成▲2二銀成△同銀▲1一角△3三銀打▲2二角成△同銀▲1一銀・・・といった展開もありました。
振り飛車側から端を攻める珍しい展開ですが、振り飛車党は覚えておきたい攻め方です。

本譜、第4図以下の指し手
▲7五角△5六歩▲同歩△4二角▲6四歩△同角▲同角△同角▲8二飛△7五角▲同銀△8二飛成(第5図)

△4二角と打った手が上手い切り返しで▲同角成は△同金寄で後手陣が手順に固くなります。
よって先手は▲6四歩と打ち、6四で角交換することで後手陣が手順に固くなることを防ぎました。
細かい手筋の応酬ですが非常に勉強になる手順です。
先手は銀取りが残っているので▲8二飛としましたが△7五角が狙いの1手。
王手になっており、▲4八銀と受けると△8六飛成▲同飛成△同角で後手優勢となるため先手は▲7五同銀と応じるよりありませんが△8二飛成で飛車角交換となりました。
互いに手筋を駆使して迎えた第5図、僅かな差ではありますが後手が一歩抜け出しました。

第5図から少し進み第6図。

依然として後手が有利な状況。
逆転を狙うため、ここで先手が勝負手を放ちますが・・・

第6図以下の指し手
▲6九飛△6八と▲7九飛△5七角▲2八玉△5八と!▲同金△7九角成▲6三と△6九馬(第7図)

普通は▲5八金寄と逃げるところですが、普通の手では勝てないという事で、先手は▲6九飛と妖しい勝負手を放ちました。
△6八と▲7九飛に△同と でも依然として後手優勢ですが、と金がそっぽに行くため、先手に粘る余地を与えます。
△5七角~△5八と が粘る余地を与えない強烈な攻め。
△5八と に▲8九飛は△4九と▲同銀△3五歩で先手に攻める手が回ってこなくなります。
本譜は▲5八同金としましたが上記のと金がそっぽに行く変化とは違い、先手陣が乱れていることと79の駒が馬であるため、次の△6九馬が厳しくなっています。

第7図から少し進み第8図。
△6八飛の王手に▲3八香と受けた局面。

後手玉は「Z(ゼット)」になっていて、さらに詰めろもかからない鉄壁の守りになっています。
よって、いくら駒を渡してもいいので二手すきの攻めで勝てる状況です。

第8図以下の指し手
△4八銀▲同銀△同飛成▲3九銀△1七銀▲同香△3七金まで後手・豊島二冠の勝ち

△4八銀が寄せの第1弾。
次に△4九銀不成が必死に近い詰めろとなるので▲同銀と取るよりありません。
△同飛成▲3九銀としましたが、△1七銀が寄せの第2弾。
①▲同桂は△3七金▲1八玉△3八竜▲同銀△2八金で詰み、②▲同玉は△3九竜が詰めろで、先手に有効な受けがなく1手1手の寄り。
本譜は▲同香としましたが△3七金が寄せの第3弾。
①▲1八玉は△3八竜▲2八桂(▲同銀は△2八金)△2七金▲1九玉△1八香まで。
②▲1九玉は△1八銀▲同玉△3八竜 で上記と同じ手順で詰み。
③▲同桂は△1九銀▲2九玉(▲同玉は△3九竜以下詰み)△1八金▲同玉△3九竜で必死。
いずれの変化も先手玉が詰み、もしくは必死となるため△3七金を見て投了となりました。

本局は中盤までほぼ互角の形勢で進みましたが、その中で後手の豊島二冠が細かくポイントを積み重ね有利を拡大し、そのまま押し切りました。
渡辺三冠にタイトルを奪われはしたものの、やはり強さは健在でした。
王座戦と相性の良い羽生九段を相手に、何もさせないまま勝つとは・・・さすがの一言です。
この結果、豊島二冠が挑戦者決定戦に進出となり、次は永瀬叡王vs佐藤九段の勝者と対戦です。
王座戦も佳境に入ってきましたが、熱い対局を期待したいですね^^

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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