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《竜王戦》豊島名人 藤井七段に競り勝ち準決勝進出!

7月23日(火)に第32期竜王戦決勝トーナメント ▲藤井聡太七段vs△豊島将之名人の対局が行われました。

大会屈指の好カードとなった本局は藤井七段の先手で角換わり腰掛銀となりました。

第1図の局面、後手の待機策が優秀で先手が仕掛けづらく、先手がどのように打開するか課題となっている局面。
本局はここから長い駒組みが続き第2図へ。

第2図は後手が△4一金としたところ。
駒組みが飽和状態に達した先手はここから仕掛けを敢行します。

第2図以下の指し手
▲5五歩△同歩▲2四歩△同歩▲5五角△5一飛▲4六角△3五歩▲同歩△5六歩▲同銀△3六歩(第3図)

▲5五歩は仕掛けるのであればここしかないところ。
先手の手に乗る形で後手もカウンターを合わせ△3六歩で桂取りを確定させますが、後手は歩切れになっている為ここは先手が指しやすい形勢となっています。
▲2五桂△同歩▲同飛と進めれば歩切れの後手は受けづらく先手有利となっていましたが・・・

第3図以下の指し手
▲3九飛△2七桂▲3八飛△1九桂成▲2五桂△同歩▲3六飛△2四銀▲4七桂△2六歩(第4図)

▲3九飛は藤井七段にしては珍しく踏み込みが甘い1手でした。
▲2五桂~▲3六飛としましたが、第3図の局面で▲2五桂~▲同飛とする変化に比べて飛車の働きが弱く、差が縮まりました。
△2六歩が実戦的な手で先手は難しい選択を迫られました。
▲同飛・▲1九角・▲6七玉・▲3九飛など選択肢が多い局面で、どの変化も有力なので全て読まなければいけないのですが、この前後数手で貴重な持ち時間を削られたのが痛かったです。
このあたりの持ち時間消費が終盤で響きました。

第4図以下の指し手
▲3九飛△2七歩成▲1九飛△2六と▲5五角△3三桂打▲3四歩△3六と▲3三歩成△同桂▲3四歩△4五桂▲1一角成△5七桂成▲同金(第5図)

手の広い局面でしたが先手は▲3九飛を選択。
そこから▲1九飛と成桂を取ることができましたが、飛車の働きが著しく悪くなったので良い選択ではありませんでした。
後手は△2七歩成から と金を作った手が見た目以上に大きく、ここで形勢が入れ替わりました。
▲5五角に△3三桂打が手堅い受けで、このまま豊島名人が優位を拡大するかに思えましたが、その後の△3六と~△4五桂が急所を見誤った攻めで形勢は互角に戻りました。
後手は5七の地点が急所と見て、そこに狙いを付けたのですが、この局面の急所は5五角でした。
後手としては5五角の位置をずらすことが最優先すべき課題で、△5四香と角を狙わなければいけませんでした。
本譜の展開は先手陣が薄くなりましたが、1一の馬と3四歩の拠点が大きく難解な形勢で終盤戦に突入しました。

第5図以下の指し手
△2一金▲5五香△5四歩▲2一馬△同玉▲3三桂△1二玉▲2五歩△5五歩▲同桂△3五角▲2四歩△4六と▲同金△同角(第6図)

△2一金が肉を切らせて骨を絶つ ものすごい勝負手。
▲5五馬と逃げてもらえれば△5三香車で話はうまいのですが、そうはならず▲2一同馬~▲3三桂で先手の攻めが加速します。
△1二玉に▲2五歩とされた局面、これ以上は受けても先手の攻めが早くなる一方ですので後手ここで攻め切るしかありません。
勝負の局面となった第6図、藤井七段が貴重な持ち時間を使って指した手が皮肉にも敗着となりました。

第6図以下の指し手
▲1七飛△5五飛!▲同銀△5六香▲5七歩△同香成▲同飛△同角成▲同玉△4五桂▲4六玉△3六金▲4五玉△3五飛▲5六玉△5五飛▲同玉△4六銀まで後手・豊島名人の勝ち

▲1七飛が敗着。
△5五飛が必殺の手となり先手の負けが確定しました。
取れないようではおかしく、また有効な受けがないので▲同銀としますが、△5六香から詰み筋に入りました。
第6図、受けが利く局面ではなく攻めに活路を見出すよりありませんでした。
▲1七飛に代えて▲2五桂がこの局面唯一の勝負手でした。
△5七金▲5九玉△3七角成▲4八歩△同馬▲6九玉△5八角▲7八玉△2五角成▲1五歩といった展開が見込まれますが、この変化であれば後手にもプレッシャーがかかるので、もう一波乱あったかもしれません。
途中の▲4八歩△同馬としてから玉を逃げるのが上手い手順で飛車取りを回避しています。
ただ、この手順は馬を自玉に近づける非常に見えにくい手で、ひょっとしたら藤井七段にも見えていなかったかもしれません。
時間がない状態でこの手順を見つけれる人はほぼいないと思いますので、藤井七段がこの順を逃したのは致し方ありません。
ここまでプレッシャーをかけて時間を削り続けた豊島名人が1枚上手でした。
豊島名人はこの段階で持ち時間を10分近く残されており、最後の詰みを読みきる時に持ち時間を使い切るという理想的な時間配分でした。

投了図以降、①▲4五玉は△3五金▲5六玉△4五角で詰み、②▲5六玉は△7八角打▲6七香△5五歩打▲4五玉△3五金でいずれも即詰みとなります。

本局は角代わり腰掛銀の最新型で膠着状態の中から先手がうまく戦機を捉えて有利な形勢にもっていきましたが、勝負所での踏み込みが勝敗を分けました。
▲2五歩(121手目)に対して守りを捨てて踏み込んだ豊島名人と、△4六同角(128手目)に踏み込めず受けに回った藤井七段。
際どい勝負でしたが、僅かな差が勝敗を分けました。
踏み込みの良さに定評のある藤井七段が攻めをためらった珍しい場面でしたが、それだけ重圧のかかった局面でしたね。
死線を潜り抜けてきた数に勝る豊島名人の刃が先に届きました。

どちらも好きな棋士で、どちらにも勝ち進んでほしかったのですが、強い名人を見ていたいので今回の結果には納得です^^
本局の結果、豊島名人が準決勝へ進出となり、次は因縁の相手である渡辺三冠。
棋聖戦のリベンジなるか!?事実上の挑戦者決定戦と目される大注目の一戦は8月2日(金)です。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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