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《王座戦》永瀬叡王 豊島名人を下し挑戦権獲得

7月25日(木)に第67期王座戦挑戦者決定戦 ▲永瀬拓矢叡王vs△豊島将之名人の対局が行われました。

王座戦の挑戦者が決まる一戦はタイトルホルダー同士の対決となりました。
戦型は永瀬叡王の先手で矢倉。
序盤の第1図、▲5六歩を突かずに囲いの整備を優先したのが先手の工夫。
早い段階で▲5六歩と突くと矢倉が完成する前に後手から△5五歩~△6五歩と先攻されるので、その攻めを緩和する意図があります。

第1図から数手進み、第2図へ。
▲3五歩から銀交換が行われた局面。
先手の工夫が功を奏し、ここでは先手が1本取った形になっています。
指しにくくなった焦りからか、ここで後手に悪手が出ました。

第2図以下の指し手
△3三金▲2二銀△3四金▲6八角△6五歩▲2一銀成△6六歩▲同銀△6五歩▲7七銀△5一玉▲1一成銀△6二玉▲1二成銀(第3図)

△3三金が悪手で形勢を大きく損ねました。
見るからに悪形で▲2二銀から桂香を取られて駒損する展開に。
銀を使ってへき地の駒を取るので効率は悪いのですが、後手から早い攻めがないため、本局においてはこの手が成立しています。
将棋の理屈として、駒得している場合はゆっくりした展開にして駒の働きを良くしていくことで形勢がはっきり良くなり、逆に駒損している場合は早い展開にすることで駒損を駒の働きの差で相殺することができます。
第3図、ゆっくりした展開になると1二成銀が働き、駒損が響いてくるため後手は急がなければいけませんが・・・

第3図以下の指し手
△8六歩▲同歩△4五金▲3八飛△3五歩▲5七角△6四角▲8四香△5一飛▲3七歩(第4図)

後手は局面の右半分が決壊しているので中央~左辺で勝負をかけようとしますが、先手の▲5七角~▲8四香が左辺を制圧する的確な攻め方。
右辺・左辺を抑えられ右玉特有の広さで勝負することができず形勢に差がつき始めます。
第4図の▲3七歩が永瀬叡王らしい手堅い守り。
指しにくい手ですが、ここでは飛車を捌くより後手唯一の攻め駒である角の動きを抑える方が価値が高いので、この手で問題ありません。

第4図以下の指し手
△7二玉▲8八玉△9三銀▲9七桂△5五歩▲同歩△9五歩▲同歩△8四銀▲同角△8一飛(第5図)

後手は▲8三香成を受けなければいけないので△7二玉としますが、そこで▲8八玉と入城した手は覚えておきたい1手。
永瀬叡王らしい負けにくい指し方で、このような戦いの中で自陣の整備ができる技術を身に付けると棋力が大きく上がります。
△9三銀に▲9七桂は気付きにくい手ですが、戦力アップを図る好手。
数手進み、△8一飛と角に当てた手に対して先手が勝負を決めにいきます。

第5図以下の指し手
▲7三角成△同玉▲8五桂△6二玉▲7三銀△同角▲同桂成△同玉▲8五桂△6二玉▲5七桂△4四金▲6五桂(第6図)

▲7三角成が英断の1手。
▲8五桂~▲7三銀から清算して再度▲8五桂で先手の攻めが筋に入ってきました。
続けざまに▲5七桂~▲6五桂が気持ちの良い跳躍。
後手は▲5七桂に△5五金としたいところですが、それには▲7三角が王手金取りとなり痺れますので泣く泣く△4四金。
有利になってからの先手の攻めが正確無比で後手は付け入る隙がなく、形勢は大きく先手優勢になりました。

数手進み、第7図へ。

ここから先手は緩み無い攻めで手堅く勝負を決めました。

第7図以下の指し手
▲6六香△5五金▲6五香△同香▲6六歩△9六歩▲6五歩△5六桂▲同金△同金▲4五桂まで先手・永瀬叡王の勝ち

▲4五桂を見て豊島名人の投了となりました。
退路を封鎖され右玉の利点である広さがなくなり、▲8四馬や▲5三歩などの攻めを防ぐことができないため投了やむなしです。

本局は豊島名人らしからぬ序盤のミスから一方的な展開での終局となりました。
挑戦者決定戦でこの将棋は悔しい内容であったと思います。
対する永瀬叡王は持ち味が存分に発揮された完勝譜でした。
叡王を獲得した直後は負けが多くなり心配されましたが、先日の竜王戦と本局の内容を見ると本調子に戻ってますね。
現時点では渡辺三冠・豊島二冠に次ぐ強さだと思いますので、ひょっとすると3人目の複数冠棋士が出るかもしれませんね。
斎藤王座にとっては難敵ですが、ハイレベルな戦いを期待したいです。
個人的には豊島二冠以外にも関西所属のタイトルホルダーが居てほしいので斎藤王座の防衛を祈りたいところですが・・・ ( ー人ー)|||~~~ ナムナム
注目の王座戦第1局は9月2日(月)です。
御二方の健闘を祈りたいと思います。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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