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豊島将之王位が木村一基九段に逆転勝ちで連勝

7月30日~31日に第60期王位戦七番勝負 第2局 ▲木村一基九段vs△豊島将之王位の対局が行われました。

豊島王位が連勝するか、木村九段がタイに戻すかの重要な一戦は、先手・木村九段の誘導で相掛かりとなりました。
第1図は1日目終了時点の局面で、豊島王位が52手目を封じたところ。

▲3五銀の圧力が効いていることと、後手の6四にある銀が歩越しで捌きにくいということでソフトの評価は先手有利となっていましたが、先手陣がかなり悪形で角が一生働かなそうなので所見では難しい形勢と見ていました。

第1図から数手進み第2図へ。

第2図以下の指し手
▲5五歩△2五歩▲同桂△同桂▲同銀△5五角(第3図)

自然に見えた▲5五歩が緩手で少し差が縮まりました。
▲5五歩に代えて▲7六銀、もしくは▲2三歩△同金▲7六銀と厳しく後手の攻め駒を責めるほうが優れていました。
個人的には▲5五歩は後手の大駒の働きを弱める意味で理にかなった手なのでリアルタイムで見ていたときは緩手と思えませんでした。
この手で差が縮まったということは、この辺りの局面はそれほど差がなかったのではないかと思います。

本局のハイライトとなった第3図。
ここで先手に事実上の敗着となる悪手が出て、勝負が決まりました。

第3図以下の指し手
▲6六銀△4五桂!

▲6六銀が悪手。
▲6六桂と手堅く受けていれば、先手が有利でした。
本譜▲6六銀に対する△4五桂が強手。
後手の食い付きが成功し、形勢逆転しました。
▲同歩は△2八角成で飛車を取られますので、この桂は取ることができません。
▲5五銀と角を取るのは△7八歩成▲同玉△5七桂成で先手崩壊。
▲5六金は△6六角▲同金△5七銀▲6七玉△6六銀成▲同玉△3七桂成で▲1八飛は△2八金、▲6八飛は△7八金、▲5八飛は△4七成桂、▲2六飛・▲2八飛は△7八歩成でいずれの変化も後手優勢になります。
先手陣は抑え込みを図るために金銀が前線に出ているので、一度でも後手に侵入を許すと非常に脆い陣形となっています。
コンピュータであれば淡々と最善手を指し続けて受けきれると思うのですが、人間がミスなく乗り切るのは非常に困難であるため、食い付かれるのは時間の問題だったかもしれません。

△4五桂から後手が一方的に攻め続け、第4図へ。

ここからの後手の差し回しが逆転を許さない手堅い手順でとても参考になりました。

第4図以下の指し手
△4二銀▲5四歩△6二銀▲7四角△6一玉▲6四歩△8五飛(第5図)

△4二銀~△6二銀が遊びかけている銀を活用しつつ自玉を固める味の良い手順。
先手は守りが薄すぎて駒を渡すとカウンターを受けるので厳しく攻めることができないのが辛いところ。
攻めている中でも互いの玉の安全度を見極めて守りに手を回せるようになると勝率がグッと上がりますので、こういったテクニックは覚えておきたいですね。
防御力を高めた後手は思い切った攻めで勝負を決めにいきます。
△8五飛が手勝ちを読みきった決め手。

第5図以下の指し手
▲5三桂不成△同銀左▲6三歩成△同銀▲8五金△5六桂▲5九銀△4八桂成▲同銀△5六桂▲8一飛△7一歩まで後手・豊島王位の勝ち

△4二銀~△6二銀で玉の安全度が上がった後手は思い切った攻めが可能になっています。
△8五飛と桂馬を取って△5六桂で寄り筋に入りました。
投了図、先手玉は詰めろとなっておりますが、受けに適した駒がないため投了はやむを得ません。

本局は途中まで評価値上では木村九段が有利となっていましたが、悪形であったため非常に難しい戦い方を強いられました。
用意していた作戦で結果を残すことができなかったため、木村九段にとっては辛い結果となりましたが、まだ王位戦七番勝負は始まったばかり。
第3局以降、木村九段の持ち味である粘り強い戦いに期待したいと思います。
注目の第3局は8月8日(木)~9日(金)。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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