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《竜王戦》木村九段 ここ一番の勝負強さを発揮し決勝進出!

8月5日(月)に第32期竜王戦決勝トーナメント ▲木村一基九段vs△永瀬拓矢叡王の対局が行われました。

二人の直近5局の成績は対照的で永瀬叡王が4勝1敗、木村九段は1勝4敗。
将棋の内容を見ても永瀬叡王の状態が良くなってきていることから私の戦前予想では永瀬叡王が有利と見ておりましたが・・・
結果は百戦錬磨の木村九段が勝負強さを発揮し、素晴らしい内容で永瀬叡王を下しました。
木村九段が決勝進出を決めた将棋を振り返りたいと思います。

戦型は後手・永瀬叡王の工夫で変則的な出だしとなりましたが横歩取りとなりました。
第1図は木村九段が▲3五歩と伸ばしたところ。
ここで後手の永瀬叡王が動きました。

第1図以下の指し手
△9五歩▲同歩△2六歩▲3七桂△3六歩▲同飛△2七歩成▲同金△5四角(第2図)

永瀬叡王が熟考の末、△9五歩から動きます。
△2六歩に▲同飛は△5五角で不利になるので、先手はこの歩を取ることはできません。
▲2八歩と手堅く受ければ一気に潰されることはありませんが、2筋に歩が利かなくなるので先手としては面白くありません。
困ったかに思えましたが▲3七桂が△5五角の筋を消しつつ反撃を狙った強気の応手でした。
第2図までほぼ一本道ですが、この応酬は先手に分がありました。
△5四角で技が決まったようですが・・・

第2図以下の指し手
▲2六飛△2七角成▲同飛△3六金▲2九飛△3七金▲4六角(第3図)

△3七金と桂馬を取られた局面、この瞬間だけ角と金桂の2枚替えになりしたが、▲4六角が良いタイミングでの切り返しで先手の駒得が確定し形勢は先手有利に傾きました。

第3図以下の指し手
△9五香▲同香△2八歩▲同銀△3八金▲5九飛△2八金▲同角△2四飛▲4六角△2七飛成▲1六角△3六竜▲3八香△2六竜▲3四歩(第4図)

△9五香に▲同香が冷静な1手。
▲同香のところで焦って▲3七角と金を取るのは△9九香成とされ8九の桂取りと△3六香車の田楽刺しが残り、今まで築いてきた有利がフイになります。
後手の猛攻で△2七飛成と成られた局面、一見後手の攻めが決まったようですが▲1六角が好手。
2枚の角がよく利いていて後手は竜を敵陣に侵入させることができません。
△3六竜に▲3八香~▲3四歩が攻防兼備の好手順で後手は痺れました。

第4図以下の指し手
△4五桂▲3三金△同銀▲同歩成△5二玉▲3二と△3七銀▲同香△同桂成(第5図)

ここでは先手の攻め駒が全て急所に利いており、後手は粘りが効かない局面になっています。
▲3三金に対して永瀬叡王は夕食休憩をまたぎ1時間を越える長考の末に△同銀としましたが、長考中に永瀬叡王が頭を抱えるようなしぐさが映っており、この辺りで負けを悟られたように感じました。
第5図から形作りのような手で終局を迎えました。

第5図以下の指し手
▲4一銀△6二玉▲8二角成△6四歩▲4三角成△4七成桂▲同玉△4五香▲5八玉△4八香成▲6八玉まで先手・木村九段の勝ち

▲8二角成~▲4三角成が格言「玉は包むように寄せよ」を地で行く基本に忠実な寄せ方。
後手玉の退路がなくなり寄り筋に入りました。
投了図は△5九成香と飛車を取るくらいですが、▲5二金△6三玉▲5三馬△7四玉▲6四馬右 以下即詰みとなります。
途中△4五香のところで△4八金▲同玉△4六竜の王手馬取りが気になりますが、それには▲5八玉△4三竜▲7四桂△6三玉▲5二銀打△同金▲同銀不成△同竜▲6二金打で(変化図①)寄り筋です。

▲6二金に△5四玉は▲5二金と竜を抜かれ後手は攻防共に見込み無し。
△同竜は▲同桂成△同玉▲5二金とされ、①△6三玉は▲6二飛△5四玉▲6四飛成△4五玉▲4六金!△同玉▲4四竜△3六玉▲4六馬で①-1△2五玉は▲2四竜、①-2△2七玉は▲2九飛△3八玉▲2八馬、①-3△2六玉は▲3五竜△2七玉▲3六竜でいずれも即詰み。

上記▲5二金に②△同玉は▲4二飛△6三玉▲7二馬△7四玉▲6三銀△8四玉▲9四馬△7三玉▲7四金で詰み。

変化は多岐にわたりますが、木村九段は持ち時間を1時間ほど残されていたので余裕をもって全ての変化を読み切られていたと思います。

本局は木村九段が永瀬叡王の無理気味の攻めを的確に咎めた快勝譜でした。
▲1六角~▲3八香の攻防手はとても参考になる手順ですね。
粘りに定評のある永瀬叡王でしたが、本局では木村九段の指し回しが素晴らしく永瀬叡王の持ち味が出る混沌とした悩ましい局面に誘導することができませんでした。
それにしても木村九段の勝負強さには驚かされました。
今期は絶好調というわけではないと思うのですが、王位戦・竜王戦とポイントとなる大一番で強敵をなぎ倒す姿は圧巻の一言です。
次はいよいよ挑戦権を獲得を賭けた決勝3番勝負で相手は豊島二冠。
王位戦では2連敗と、贔屓目無しに見ても分が悪い相手ですが、ここまでの大一番での勝負強さを見ると決勝戦で一撃入れる可能性は十分期待できると思います (・`ω´・ ○)
注目の決勝戦3番勝負の1局目は8月13日(火)。
好勝負を期待したいと思います。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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