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《順位戦》佐藤九段が久保九段の粘りを振り切り1勝目

9月4日(水)に第78期順位戦A級順位戦3回戦 ▲佐藤天彦九段vs△久保利明九段の対局が行われました。

共に2連敗と苦しいスタートとなった両者の対戦は互いの意地と執念がぶつかった大熱戦となりました。

戦型は佐藤九段の先手で四間飛車対ミレニアム囲いとなりました。
その後、後手の久保九段が石田流三間飛車に組み換える展開へ。

先手が8筋から動いた手に対し、後手がカウンターを合わせる形で戦端が開かれました。

互いに小駒を加えた第2図。
大駒の働きは互角ですが、金銀が固まっている分だけ先手が指しやすく感じます。

第2図以下の指し手
▲5五歩△4六歩▲5四歩△同銀▲2四歩△同歩▲3三角成△同飛▲2四飛(第3図)

先手は駒損したものの飛車を活用することができました。
堅陣を活かせる展開にもっていけたので形勢は互角ですが先手がペースを掴みました。

その後、互いに金銀を取り合っては自陣に打ち付ける展開に。
その中で佐藤九段が少しずつポイントを拾い、先手有利で迎えた第4図。
ここで久保九段が勝負手を放ちました。

第4図以下の指し手
△6六桂▲7九香△2九馬▲5一竜△6八角成▲同銀△6一金▲2一竜寄△4七馬▲6六歩△6九馬▲6四桂△同金▲8四桂(第5図)

△6六桂が意表を突くただ捨ての勝負手。
後手は1八馬を活用させなければ勝ち目はないのですが、△6六桂は遊びかけている馬に渇を入れる素晴らしい一手でした。
▲同歩でも先手有利に変わりはないのですが△2九馬とした手が△5六馬の王手竜取りを狙いながら馬が先手玉に迫ってくるので先手は実戦的に選択しづらくなっています。
勝負手が功を奏し形勢は急接近しましたが、△4七馬~△6九馬は急所を外した勿体ない攻めでした。
▲6六歩と桂馬を外してから▲6四桂~▲8四桂が「終盤は駒の損得より速度」を体現した攻めで、ここにきて先手が一歩抜け出しました。
▲6四桂△同金と金を上ずらせて2三竜の利きを通した事で攻めの威力が増しました。
戻って後手は△4七馬に代えて△5六馬として2三竜を責めるながら先手玉に迫る必要がありました。

堅陣同士の将棋は一度差が付くと、挽回するのが非常に難しくなります。
本局もここから後手が有利になることはありませんでした。

第5図から30手ほど進み第6図へ。

ここから先手が玉の遠さを生かした攻防で勝利を決定付けました。

第6図以下の指し手
▲8八歩△8七香成▲同歩△8六歩▲8四香△8三銀▲7一銀△同玉▲8三香成△8二銀▲同成香△同玉▲8四銀△8三金▲7一銀(第7図)

▲8三歩から攻める手もありましたが先手は手堅く▲8八歩を選択。
銀を取った後△8三金と上部と7三の地点を補強しておけば、まだまだ戦えましたが後手は△8六歩と攻め合いを選択。
結果として△8六歩が敗着で、強烈な反撃を受けることになりました。
歩が利かなくなった瞬間を見計らった▲8四香がタイミングの良い反撃。
後手は△8三銀と受ける1手ですが、そこで▲7一銀と下段に落とすのが的確な寄せ。
詰めろと王手の連続で迫られ、結局△8七歩成とする手が回ってくることはありませんでした。
ミレニアム囲いの堅さ・遠さを生かした佐藤九段の攻めが上手かったですね。

この後、先手がきっちり寄せ切り佐藤九段の勝ちとなりました。

本局は互角の序盤でしたが、ミレニアム囲いの堅さ・遠さというアドバンテージがあった分、先手が有利な戦いを進めることができました。
久保九段は苦しい中でも△6六桂(118手目)など振り飛車らしい鋭い攻めや守りが随所で出たのですが、佐藤九段の対応が終始冷静・的確で逆転には至りませんでした。
長手数の対局となりましたが、見所が多く非常に勉強に一局でした。
本局の結果、佐藤九段が1勝2敗、久保九段が3連敗と共に苦しいスタートとなりましたが巻き返しに期待したいですね。

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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