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《JT杯》深浦九段 佐藤九段を破り準決勝進出!

9月7日(土)に将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 二回戦 ▲深浦康市九段vs△佐藤天彦九段の対局が行われました。

戦型は深浦九段の先手で角換わり腰掛け銀。

第1図から10数手進み、第2図に。

しばらく膠着状態が続くかに思えましたが、後手が思い切った仕掛けを見せました。

第2図以下の指し手
△9五歩▲同歩△3五歩▲同歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲4六角△3六歩▲6四角△3七歩成▲同角△9五香(第3図)

△3五歩と先手の桂頭に狙いを付けるのは、この戦型の常套手段。
先手はここで桂頭を受けずに▲4六角としたのが参考になる指し方。
桂馬を守ろうとすると▲4七金・▲2六飛といった手になりますが、いずれも先手陣のバランスが崩され後手の攻めに弾みがつきます。
変化の一例として、▲4七金は△3六歩▲同金△5八角、▲2六飛は△8六歩▲同歩△5九角でいずれの変化も後手有利。
先手は▲4八金・▲2九飛の形が一番攻守においてバランスの良い状態ですので本譜の▲4六角~▲6四角~▲3七同角はバランスを重視した柔軟な対応でした。
第3図、後手が指した△9五香が疑問手。
この手は攻め急ぎすぎで、先手が的確に咎めてリードを広げることに成功しました。

第3図以下の指し手
▲9五同香△8四角▲6五銀直△同銀▲同銀△9六桂▲9七玉△9五角▲8二銀△6一飛▲9六玉△9四香▲8六桂(第4図)

△8四角の銀香両取りに対して▲6五銀直と強く銀交換したのが好判断。
先手陣が攻め込まれている中、さらに銀を渡すのは怖いところですが▲9七玉~▲8二銀と上部を手厚くすることで先手玉の上部脱出が確実となりました。
△9五香~△8四角の攻めが軽く、後手は上部脱出を阻む駒がなくなったため形勢を大きく損ねることになりました。
△9五香のところでは△7五歩と力を溜めておけば、まだまだ難解な形勢でした。
第4図の局面、先手が大きくリードを奪いましたが、ここから深浦九段の優位を拡大する手順が非常に参考になりました。

第4図以下の指し手
△3六歩▲6四角△7三金▲9四桂△6四金▲9五玉△6五金▲8三角△6四飛▲7三銀不成△5四飛▲6九飛△7六金▲6二飛成(第5図)

△3六歩▲6四角に△7三金が油断ならない手。
うっかり▲同銀成とすると△同角とされた手が空き王手となり一気に怪しくなります。
▲9四桂~▲9五玉と一目散に上部脱出するのが分かりやすい指し方。
先手は角銀をボロッと取られましたが、後手には7~9筋に先手玉を捕まえる抑え駒がない為かなり負けにくい形になりました。
手堅く入玉するコツは穴熊のような感覚で駒を埋めていくこと。
▲8三角~▲7三銀不成は上部を手厚くする基本通りの指し方でした。
後手は飛車を渡すと横っ腹が空いていて、すぐに寄る形となっているので飛車を逃げましたが、後手の飛車が6筋からいなくなった瞬間を見計らって▲6九飛と回った手が決め手。
歩切れも相まって後手は飛車筋を止める有効な受けがありません。
△7六金と逃げましたが▲6二飛成と王手で成り込み大勢決しました。
以下、数手で先手・深浦九段の勝ちとなりました。

本局はバランス感覚に優れる深浦九段らしい立ち回りの快勝譜でした。
第2図から第3図にかけて桂頭を受けずにバランス良く指した手順がうまかったです。
バランス良く▲2九飛型を維持することで後手の攻めを受け止め、最後に▲6九飛~▲6二飛成でとどめを刺す・・・
角換わり腰掛銀の理想的な流れだったので、角換わり腰掛銀を勉強中の方には良い題材になったと思います。

深浦九段と言えば、序・中・終盤すべてにおいて高いレベルにあり、最新型にも精通している一流棋士。
深浦九段著書の「最前線シリーズ」は最新型が分かりやすく纏められていて非常に読み応えがあり、何度も読み返した記憶があります。
今年47歳ということで、どの業界に属している方もこの年代になってくると勉強する時間が割けなくなり情報収集・技術向上といったことが難しくなってくる年齢だと思うのですが深浦九段は以前と変わらず努力をされているとのことです。

兄弟子 森下九段
「奨励会時代、あるいは若手の時に深浦君ぐらい努力した棋士は多いかもしれない。しかし、三十半ばを過ぎても深浦君ほど努力している棋士は数人だろう」
引用元:将棋世界 2009年2月号

私はプロ棋士の方とは縁のない業界で働いていますが、努力を継続されている深浦九段には尊敬の念に堪えません。
深浦九段のようにいつまでも努力を積み重ねていきたいと思います(`・ω・´)

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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