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《棋王戦》羽生九段 絶技・7二金型右玉で深浦九段を下し3回戦進出!

9月19日(木)に第45期棋王戦挑決トーナメント 2回戦 ▲深浦康市九段vs△羽生善治九段の対局が行われました。

戦型は羽生九段得意の7二金型右玉になりました。

第1図以下の指し手
△3八歩▲同飛△2七角▲3九飛△5四角成▲4六銀△4四歩▲4八金(第2図)

7二金型右玉の基本型とも言える第1図。
手の広い局面ですが、ここで羽生九段の選択した手は△3八歩。
毎回のことながら羽生九段の7二金型右玉は非常に積極的ですね。
△2七角~△5四角成とした局面、後手は馬を作ることに成功しましたが歩切れに陥っており形勢は何とも言えない微妙な局面。
構想力が問われる力将棋となりました。
先手は歩得を主張するために▲4六銀と引き、じっくりした展開を目指しました。
第2図の▲4八金がどうだったか・・・△4五歩と突かれた時に5七に銀が移動できるよう▲5六歩と突いておいた方が優れていたかもしれません。
僅かな隙ですが、羽生九段が積極的に咎めてきました。

第2図以下の指し手
△8五桂▲8八銀△9五歩▲同歩△4五歩▲3五銀△7六馬▲3四歩△4二銀▲9四歩△9七歩(第3図)

後手は△8五桂から攻撃を開始。
7二金型右玉で頻出する桂跳ねで、細い攻めですが先手も振りほどくのが非常に難しい攻めです。
△4五歩▲3五銀の交換を入れたのがソツの無い利かし。
通常は▲3五銀と5段目に攻め駒が進出できれば良しとしたものですが、今回の場合は左辺の玉が近いところで既に火の手が上がっており、この銀は捌ける見込みが低くなっています。
このような展開になるのであれば、遡って第2図の▲4八金のところでは▲5六歩の方が優れていました。
ただ今回の場合、先手は早繰り銀から3五に銀を進出させ、その銀を5七に引き上げる手順ということで実戦的に指しづらかったように思えます。
ここは羽生九段の指しまわしが巧みで1枚上手でしたね。

第3図以下の指し手
▲9七同桂△9四香▲8五桂△9九香成▲9三桂成△9八成香▲7七銀△5四馬▲6八玉△9六歩▲7六角△同馬▲同銀△9七歩成(第4図)

9筋からの細い攻めですが手になっています。
後手は3筋を押し込まれ、さらに9筋にも成駒を作られて一見苦しそうな形になっていますが、左右どちらにも逃げれる右玉の特徴が生きており形勢は非常に難解です。

第4図以下の指し手
▲7三歩△同金▲5八玉△8八成桂▲6七金△2八角▲3六飛△1九角成▲4四桂△3一金▲2六飛(第5図)

中盤から終盤に差し掛かる重要な局面でしたが、ここからの数手で形勢に差が付きました。
▲7三歩~▲5八玉が攻めにも守りにも中途半端な組み合わせでした。
攻めるのであれば▲7五歩、もしくは▲6五歩と玉頭から攻める手順の方が優れました。
本譜は△2八角とされ、先手が左右挟撃の形を作られ困りました。
先手陣は後手に比べて左右の銀が上ずっていることと、広さがないので非常に脆い陣形になっています。
第5図の局面、後手が僅かに有利ですが、勝ち切るにはまだまだ大変な局面です。
しかし、ここからの指し回しが見事でした。
右玉党必見の手順です(;・`д・́)

第5図以下の指し手
△4六歩▲6五歩△同歩▲5六金△4七歩成▲同金△4三歩▲5五角△同馬▲同金△4四歩▲4三歩△同銀▲3三歩成△同桂▲3四歩△5四銀左(第6図)

△4六歩は中住まいの形で頻出する攻め方です。
中住まいは△4六歩・△6六歩として玉のこびんをこじ開けられると非常に脆い作りになっています。
今回の場合、4筋の歩を切った後に△4三歩と打てるのも大きかったです。
この桂馬を取ったことで後手玉が広くなり、また先手玉を寄せるのに大きく寄与しました。
先手は▲4三歩~▲3三歩成~▲3四歩と攻めましたが、その流れに乗る形で△5四銀左が急所を見抜いた1手。
この局面で先手玉を寄せるには▲4七金を狙うのが最短ルートです。
その金を狙おうとすると後手は5五か3五に桂馬を打てる形を作りたいところ。
△5四銀左とぶつけた手は上部を押さえている金を盤上から消すと同時に5五桂を打てるスペースを作る一石二鳥の急所を突いた1手でした。

第6図以下の指し手
▲同金△同銀▲3三歩成△5五桂▲8二銀△同飛▲同成桂△3八銀▲7一角△5一玉まで後手・羽生九段の勝ち

△5五桂が実現し大勢決しました。
先手は▲8二銀から飛車を入手しましたが詰めろになっておらず、△3八銀と右辺への逃走ルートを封鎖され1手1手の寄り形になりました。
投了図、後手玉に詰みは無く、先手は受けるのであれば▲4八飛といった手になりますが△6七角▲同銀△同桂成▲同玉△6六香▲同飛△同歩▲同玉△6五香以下の即詰みがあるため投了はやむを得ません。

本局の結果、羽生九段は3回戦へ進出。
羽生九段は7二金型右玉をよく指されていますが、戦績は未だ無敗!
「バランス重視の力戦型」+「細い攻めを繋ぐ」の組み合わせが羽生九段の棋風と絶妙にマッチしているためか戦績・内容共に素晴らしい結果を残されています。
後手番、且つ誰でも真似できる将棋ではない、というのがいいですね^^
戦法の優秀さが認められ類似の将棋が出てきていますが、まだ先手に有効な対策が出る気配がないので、しばらくは猛威を振るいそうな気がします。
その間になんとか羽生九段のタイトル100期を期待したいところです(`・ω・´)

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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