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奨励会について

当ブログはプロ棋士志望の子供を持つご両親や、将棋を始めたばかりの方など将棋界に詳しくない方を対象にしているつもりですので、基本的な内容で申し訳御座いませんが、奨励会試験について簡単にですがご紹介させていただきます。

将棋のプロ棋士を目指すには、まず奨励会に入会する必要があります。
※編入試験など例外はありますが、本稿では説明を省きます。
奨励会に入会するには毎年夏に開催される入会試験を受験し、試験に合格する必要があります。
受験資格・申込書類などの情報は連盟HPに概要が掲載されております。
https://www.shogi.or.jp/match/shoreikai/test_overview.html

試験は3日間かけて行われ、合格基準を満たす事ができれば奨励会に入会できます。
始めの2日間が1次試験で、筆記試験・奨励会受験者との対局が行われます。
筆記試験は受験生レベルであれば、すぐに解答できる問題です。
※現在は、筆記試験の成績優秀者には、次の受験者同士の対局において1勝分が加算されるようです。
受験者同士の対局は1日3局行われ、合否が確定次第、1次試験は終了となります。
1次試験の通過基準は受験する年で多少変わる事がありますが目安は3勝です。
(受験する年によっては、4勝が基準の場合もあります。)
3日目は2次試験で、現役奨励会員との対局で、3局中1勝すれば合格となる試験です。
この対局は現役奨励会員の成績に反映されますので
相手は手加減するはずもなく無く、全力で勝ちにきます。
1次試験・2次試験の合格基準を満たす事ができれば
試験合格となり、9月の第2例会から奨励会に参加できます。

私が奨励会入会試験を受けた時の様子をお話したいと思います。

試験当日、将棋会館で受付を行い、担当者より受験の流れを聞きます。
まず始めに筆記試験を受けました。
作文と常識的な問題などで、簡単な内容でした。
筆記試験が終わると、対局部屋へ通されます。
受験者はアマ強豪ばかりで、その中には大会等で親しくなった友人が多くいました。
1次試験は受験者同士が1日3局対局を行い、2日間かけて最大6局指します。
私の受験した年は2日合計で3勝を上げれば試験通過、4敗すると即失格でした。
受験する年によっては2日合計で4勝、3敗で失格の時もありますので、この時は緩めの年でした。
持ち時間は各60分、時間を使い切ると1手60秒以内の着手が求められます。
これは奨励会の対局と同じ内容の持ち時間です。
1次試験を通過した者は、最終日3日目の2次試験に進みます。
2次試験は現役奨励会員と3局対戦し、1勝すれば合格となります。
この1勝が大変難しく、毎年1勝もできずに失格となる人がいます。
現役奨励会員にとっても自身の成績に反映されるので全力で勝ちにきます。
持ち時間は1次試験と同じで、持ち時間各60分使い切ると1手60秒。
緊張の中、1次試験の対局が始まりましたが、割と平常心に近い精神状態で対局に望めました。
1日目の結果は2勝1敗。
2勝した相手は大会でも顔を合わせた事のある方で、強敵でしたが何とか勝つ事ができました。
負けた相手の方は、私は当時面識がありませんでした。
初対面の相手に対して慎重に局面を進めていきましたが
巧みに戦況をコントロールされ、良いところなく負かされました。
この方は後にタイトルホルダーとなる方で、奨励会に入った後もあまり勝たせてもらえませんでした。
残り1勝で1次試験通過となりましたが、私の友人が前年に奨励会試験を受験した際、1日目に2勝されていましたが2日目に1勝もできずに不合格になったのを聞いていましたので、残り1勝という考えは持たずに2日目に挑もうと思っていました。

2日目。
4局目の対戦相手が発表されました。
相手は大会や道場などで何度も戦い、よく話す間柄の方でした。
また、私より年上の方で、今回の試験で合格できなければプロ棋士を諦めることも聞いており戦いたくない相手でした。
相手の事情は知っていましたが、いつも通り勝つ事だけを考え対局に入りましたが結果は負け。
途中まで互角でしたが、終盤に差し掛かったところから一気に引き離されました。
守備が崩れないよう守りを固めましたが、強引にこじ開けられ負け。
この対局にかける、相手の凄まじい執念を感じ、完全に気圧されていました。
この段階になると脱落者が出てきます。
トイレに入ると、個室から嗚咽が聞こえる事もありました。辛かったです。
続いて5局目。相手は、またもや知った相手で、こちらも今回の試験で合格できなければ
プロ棋士の夢を諦めると聞いていました。友人でした。
年上の方で面倒見がよく、色々と教えていただいた方で最も対戦したくない相手でした。
相手のここまでの成績は1勝3敗で、この対局に敗れると失格が決まる状況でした。
対局が始まり、途中までは互角の形勢でしたが、相手の一瞬の隙をついてリードを奪うことができ、そのまま終盤を迎えました。
前局同様に執念で食い付かれましたが、今回は何とか振り切りました。
局面が分かりやすく勝ちになったところで、相手の緊張感が薄れていくのを感じました。
残り時間を使い、何かを振り返っているように感じました。
相手の方のプロ棋士を目指す想いや努力している姿を見てきたので、とても辛かったです。
持ち時間を使い切り秒読みとなったところで投了を告げられました。
この対局は人生の中で一番辛い対局でした。
対局後、「応援しているから頑張れよ」と声を掛けていただきました。
胸が締め付けられる思いでした。心が痛かったです。

3日目。
1次試験を通過した人は、最終日3日目の2次試験に進みます。
2次試験は現役奨励会員と3局対戦し、1勝すれば合格となります。
この1勝が大変難しく、毎年1勝もできずに失格となる人がいます。
現役奨励会員にとっても自身の成績に反映されるので手加減などはありません。
持ち時間は1次試験と同じで、持ち時間各60分使い切ると1手60秒。
私は、将棋の内容はよくありませんでしたが、何とか1勝する事ができ、試験に合格する事ができました。
受験者の中には1勝することができず、合格できなかった人がいました。
毎年、奨励会試験では必ず不合格者が出るのですが、その中には合格して当然と言われる人もいたりします。
普段の力を出せれば必ず合格できるのですが、1年に1回しかない奨励会試験は大会などでは感じたことのない重圧がのしかかります。
不合格になった人の対局を隣で見ていましたが、いつものような攻めの迫力がなく、重圧を感じて手が伸びなくなっているのが分かりました。
奨励会試験に合格し、その後の奨励会を勝ち抜いていくには盤上の実力だけではなく精神的な強さも必要になります。
簡単な内容で恐縮ですが、私が受験したときの様子をまとめさせていただきました。
これから奨励会試験を受験される方、プロ棋士を目指すか検討されている方に少しでも参考になりましたら幸いです。

奨励会はプロ棋士になれない人数の方が遥かに多い厳しい世界

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habuparov
会社での出世を目指し、毎日奔走しながら働く地方住まいのサラリーマン。仕事のことから趣味の将棋のことまで気まぐれに書いています。

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